SPEECH
OB杯スピーチコンテストは2003年に第一回が開催され、関係者の努力により年々発展してきました。参加する現役学生の英語力は着実に上達しています。日本もグローバル化の波にさらされています。一部企業では社内公用語が英語になっています。現役学生はこれからの日本を背負って立つ人材になることが期待されます。
Mr.Hotta
Mr.Terence Yearley
Mr.Milton Miltiadous
歴代3位以内入賞者
第1回【2003年】
【優勝】野口早紀 | Sense of Time |
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【二位】笈川真伊 | My favorite thing |
【三位】佐藤恵 | Back to school |
第2回【2004年】
【優勝】佐藤美香 | What is my dream? |
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【二位】増田智弘 | Labor shortage in Japan |
【三位】武田恵理子 | As I came to like English |
第3回【2005年】
【優勝】平川裕子 | Do you have a dream? |
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【二位】矢島瑛 | I love my family |
【三位】神谷佳輝 | The jury system in Japan |
第4回【2006年】
【優勝】吉田加奈子 | Reading books is fun! |
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【二位】有路恵 | Pride & Prejudice? |
【三位】鈴木千秋 | That’s why I like English |
第5回【2007年】
【優勝】西郷麻里子 | Save the earth! |
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【二位】鈴木智子 | Someone may always watch you |
【三位】田中優華理 | Working makes you grow up |
第6回【2008年】
【優勝】小田博明 | Ultimate Goal in Education |
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【二位】張嘉偉 | Avoiding the next massacre |
【三位】徳永美奈 | Positive thinking |
第7回【2009年】
【優勝】中島恵里 | Born in good health |
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【二位】張自強 | Do we have measures against global warming? |
【三位】伊藤友紀 | No baseball, no life |
第8回【2010年】
【優勝】本庶由季 | Close or distant? Japan and Korea |
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【二位】露木瑛里奈 | Reveiew and re-discover Japan |
【三位】高橋里奈 | Thanking for our everyday life |
第9回【2011年】
【優勝】鈴木恒範 | Nature and New Cultures |
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【二位】平田泰之 | WHAT YOU STAND ON |
【三位】宮崎舞 | Let’s be proud of being Japanese! |
第10回【2012年】
【優勝】嶋谷彩子 | Reasons why I am against animal testing |
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【二位】鍋島千尋 | IS CHOCOLATE BITTER OR SWEET? |
【三位】伊藤悠 | Tokyo Olympics and Paralympics 2020 |
第11回【2013年】
【優勝】斉藤まどか | The new door I opened |
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【二位】鈴木奥登 | Time to Reconsider Tap Water |
【三位】岡大樹 | Regal drug for performance |
第12回【2014年】
【優勝】村木圭 | For realizing equality |
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【二位】佐藤慧 | Japanese view of Japan |
【三位】戸塚あかり | “4Rs” for the earth |
第13回【2015年】
【優勝】黒田耕平 | For our future |
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【二位】佐藤真由美 | To solve the problem of refugees |
【三位】藤田沙織 | Do you feel happy? |
第14回【2016年】
【優勝】傅蘭克 | To save new generation |
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【二位】吉野貴信 | To remove visible Barriers |
【三位】西村崇 | Blue birds |
第15回【2017年】
【優勝】宮本大句見 | Not only for you but also for others |
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【二位】清水主真 | Adversity into Opportunities |
【三位】江口智惠 | Not media but idea |
堀田さんの5年間の感想
5年間、学生のスピーチ指導で感じたこと
S40 卒・堀田純三
英語学会創設100周年記念事業の一環としてOB杯英語弁論大会を立ち上げて欲しいとの話を5年前に、当時のOB会役員から頂いたのがことの始まりでした。当時の英語学会会長・石川丈夫君との協力で小生の40年程前を、自分の記録と記憶で思い出しながら、何とか成功させたのがつい昨日のことのように思い出されます。今では学生の間にすっかり定着し、OBとしての支援を書類選考や原稿添削、そしてスピーチそのものの指導に集中できる状況にまで進化してきています。
小生以外のOB関与として書類選考を初年度、S29卒中村健、S37卒久松両氏に支援頂き、4回目、5回目にはそれぞれS35卒荒木、S36卒井関氏の協力も得ています。スピーチ指導では最初の3年間、中村健さんの支援も得ました。決勝の審査員については、初回、2回目を、残念ながらその後故人となられたS26卒市川氏のお骨折りで当時の立川米軍基地将校夫人にお願いし、3年目はOB各位 (S29卒中村、S36卒雁金、S39卒金子氏)に、更に4、5回目はTOEFL在籍のS41卒嶋本氏紹介で英国人Mr. Terence Yearleyにお願いしました。尚、Yearley氏は日本人に英語を教える先生達に英語を指導する立場にあり、日本に長期滞在が予定されているため今後も適任者として期待できそうです。
さて、前置きはこのくらいにして肝心の英語指導で感じたことを思いつくままに少し述べさせて頂きましょう。英語力は、コンテストをご覧になった皆さんのおっしゃる「最近はレベルが上がった」というのが本当かどうかは別として、実感としては矢張り中高での指導がうまくできていない気がしています。その証拠として、短期間の指導なのにかなりの人の英語が格段に進化したことが揚げられます。英語を勉強しようという意思がよく見えるようになります。小生は、そんな結果を見られる楽しみでこの役を演じさせて頂いているとも言えます。こちらのコンテスト入賞者が歴代、中央大学の英語スピーチコンテストに書類選考から挑戦してきました。一昨年はお蔭様で、OB総会でも紹介させて頂いた平川裕子さんが優勝するという栄誉を勝ち取りました (帰国子女が多く参加していたこの大会は、残念なことに昨年限りで消滅したと聞いています) 。
さて、指導中に経験したり感じたりしたことを、いろいろな観点からエピソード的に紹介してみることにします。これをきっかけに、更に多くの方が英語の再勉強に意欲を出されんことを祈りつつ。
基本的なところでは、sheとseeの区別が逆になっている人や、gとzの区別が難しい人が結構多いのに驚きました。この背景には日本語のカタカナ表記に問題があるかもしれません。例えばAをエー、Cをシーと表記したり、ディズニー・シー(Desney Sea)、シー・ユー・アゲイン(see you again)、アイ・シー(I see)、フィズィー(Fiji)、オージー(Aussie)、ビジー(busy)、ニュージーランド(New Zealand)、まだまだ枚挙に暇が無いくらいです。
次に和製英語があるために苦戦している部分も多く見られます。小生はよく例に出すのですが、野球用語がその典型と思われます。例えばフォアボールはwalkですし、ランニングホームランはinside-the-park home run、などです。フォークボールはbraking ballで、クロスプレーはclose〔klo’us〕playです。こんなことはMLB(Major League Baseball)を英語で見ていれば直ぐ判りますし、知ればより楽しく英語が学べるわけです。ついでに良く出てくる言葉をいくつか紹介しておきますと、RBI (Runs Batted In)が打点でERI (Earned Run Average)が防御率、得点がRun、イニングの表裏はTopとBottomです。野球に限らず、かつて大橋巨泉氏が痛烈に批判していた時期がありますが、和製英語が多過ぎます。それが英語らしく聞こえるため、英語を勉強する者にとっては余計に混乱を起こすのです。食品表示ではありませんが、カタカナ英語を見たら「本当に英語なのかな」と疑った方がよいのかもしれません。自分が学生としてNY滞在していた時に何度か工場の部品調達に関する商談の通訳をさせられたことがありますが、苦戦したのは正にこの問題でした。依頼人は英語が話せないが専門用語の英語は知っている、と言う。しかしその専門用語が和製英語だったりするのです。こちらは部品そのものの内容が解らないので、詳細にその場で日本語説明を受け、自分が納得してから改めて説明すると単語が全く違っていたりする。少なくとも、こんなことがあるということを知っておく必要があるのです。
更に、日本語と英語の基本的な言葉としての違いから来る難しさがあります。RとLの違いに加えて、日本語のラリルレロは更にRでもLでもないのです。Fは下唇の内側を噛みますし、THは上の歯の内側に舌を付けると発音しやすい、などです。こんなことは一度聞けば練習で習得できます。難しいことのひとつに誰もが揚げるのが、母音を含まない部分の発音です。日本語は全て、あいうえおの母音を伴いますので、この発音に慣れていませんから時間がかかりますが、これができると急に英語らしくなってくることを覚えておいてください(例:try、spring、frustration、straight、strong、bring、proud、prOBlem、strategy、など) 。複数やいわゆる三単現のSで濁る場合の音もはっきり発音することが大事です(例:goes、loves、brothers、names、friends、opportunities、など) 。
間違い易い発音も、大学受験時に学んだ筈ですが、いろいろあります。
〔ei〕a, same, fame, game, baseball, change〔t∫e’in(d)з〕, range〔re’in(d)з〕
〔ou〕o, goal, boat, cold, though, although, don’t〔do’unt〕, won’t〔wo’unt〕
〔o:〕thought, fought, taught, caught, brought
〔α :〕heart, march, mark, mart, park
〔э :〕earth, hurt, occur, circle, pearl, year, ear, search、など
特殊発音も要注意です。
victual〔vi’tl〕, Arkansas〔α’:(r)kэnso:〕, Tucson〔tu’: sэn〕, Navajo〔nae’vэho`u〕 San Jose〔saen-эze’i〕, debut〔dib(j)u’:〕, muscle〔mΛ’sl〕, subtle〔sΛ’tl〕
tomb〔tu’:m〕, comb〔ko’um〕, bomb〔bα’m〕、など
また、辞書に出ている言い回しでもネイティヴ・スピーカーには通じないことも結構多いので、できるだけ本物の英語に触れて英語的感覚を身につけ、その都度選択眼で選択肢の中から自分で選ぶことも重要なのです。その意味では小生を含めて弛まぬ努力が必要とされています。英語に触れるチャンスは多いですから昔よりはるかに楽ですが。
アクセントとイントネーションも大きな要素です。彼らの言語は単語一つ一つに必ずアクセントがあります。したがってアクセントの弱い日本語や韓国語のようにフラットに発音すると英語を母国語とする人には聞き取れない場合が多々あります。そして単語がつながるとイントネーションも音楽のメロディーのように必要となってくるのです。アクセントは発音記号を注意深く見ることで解決できますが、イントネーションはどうしても本物をリズムやメロディーとして聞くことしかありません。余談ですが、「発音が悪くても通じればよい」と言う人がいますが、これはあくまでも日本に長くいて日本人の発音に慣れた人には通じることがありますが、そうでない人達には通じ難いことも多いと覚えておいてください。因みに小生は、22年間英国企業で英国人を上司に持ち働きましたが、国内で問題なくても出張して現地プレゼンテーションを行うと愕然とすることがよくありました(内容はもとより、話すスピードも全く異なりましたし) 。
最後になりましたが、スピーチではテーマの選び方、文章作成力、起承転結のバランスなどが重要ですが、この問題ばかりは短時間で習得できませんし、英語の勉強だけでは片付けられない問題です。話し言葉なので文章はなるべく長くならないようにすることが聴衆の理解につながります。特に、日本人の思考は複雑で、関係代名詞で二重、三重に繋げてしまう傾向があります。日本人同士ですと何を言いたいのか想像で絵が描けますが、欧米人には一番解り難い部分になってしまいますので注意が必要でしょう。そんなことをいろいろ念頭に置きながら、普段から意識的に訓練する以外に方法は無いと思います。その意味では生涯が勉強ですから、楽しみながら趣味として英語を続けるくらいの心がけが必要なのかもしれませんね。せっかく持っている若い人の潜在能力を目一杯伸ばして欲しいものだと思っています。一番力が伸びるのは今ですから。とすることがよくありました(内容はもとより、話すスピードも全く異なりましたし) 。
以上、平成19年10月記